わたしたちは"最後の人類"だった ― 消えた親戚たちのミステリー
まず、ちょっとゾクッとする話から。今、地球にいる「人類」は、わたしたちホモ・サピエンスただ一種類です。でも――ずっと昔はそうじゃありませんでした。同じ時代の地球に、別の人類が何種類も暮らしていたのです。ネアンデルタール人、デニソワ人……。名前だけ聞くと「ご先祖さま?」と思うかもしれませんが、ちがいます。彼らはわたしたちの祖先ではなく、枝分かれした「親戚」。いわば人類のいとこたちです。
その親戚たちは、今どこにいるのか? ……全員、消えてしまいました。生き残ったのは、わたしたちだけ。いったい、何が起きたんだろう? 今日はこの人類最大級のミステリーを追いかけてみましょう。
教科書のウソ? 人類は「一直線」じゃなかった
学校で見る人類の進化の絵。サルからだんだん背すじがのびて、最後に人間になる――あの一列に並んだ絵、見たことありますよね。でも、あれはちょっと本当とちがいます。
実際の人類は、木の枝のように何度も枝分かれしていました。ある時代には、性格も体つきもちがう人類が、同時に何種類も生きていたのです。まるで、いろんな種類のネコ科の動物(ライオン、トラ、ヒョウ)がいるみたいに。
そして時代によっては、その親戚どうしが同じ大地で出会っていた可能性まであります。サピエンスとネアンデルタール人が、どこかの谷で顔を合わせていたかもしれない――そう考えると、なんだかドキドキしませんか?
ネアンデルタール人ってどんな人類?
消えた親戚の代表が、ネアンデルタール人。「原始的でおとっていたから消えたんでしょ?」と思いがちですが、それは大きなカンちがい。彼らはむしろ――
つまり、けっしておとった人類ではなかったのです。むしろ体の強さだけなら、サピエンスより上だったかもしれません。それなのに、なぜ彼らは消えて、力の弱いわたしたちが残ったのか。ミステリーはますます深まります。
なぜサピエンスだけ残った? ― 答えはまだナゾ
ここが今日いちばんのポイント。実は、はっきりした正解はまだわかっていません。研究者たちが今も議論している、本物のナゾなんです。有力な"説"をいくつか紹介しましょう。
いちばんの衝撃 ― 消えた親戚は、きみの中にいる
さて、最後にとっておきの話を。「ネアンデルタール人は消えた」と言いましたよね。でも実は――完全には消えていません。
現代人のDNA(体の設計図)を調べると、多くの人にネアンデルタール人由来の遺伝子が数%まざっていることがわかったのです。
これは何を意味するか? 大昔、サピエンスとネアンデルタール人のあいだに子どもが生まれたということ。つまり親戚たちは、ただ滅びたのではなく、わたしたちの体の中に、ちょっとだけ生き続けているのです。
→ きみの中にも、何万年も前に消えたはずの親戚の"かけら"が入っているかもしれない。そう思うと、人類のミステリーが急に自分ごとになってきませんか?
・力の強い親戚もいたのに、みんな消えた
・なぜサピエンスだけ残ったかは、まだナゾ
・でも彼らは、わたしたちのDNAに少しだけ生きている
わたしたちは、たくさんいた人類のうち、たまたま最後まで残った一種類。優秀だから残ったというより、いろんな偶然と条件が重なった結果なのかもしれません。そう考えると、「今ここに自分がいること」自体が、けっこうな奇跡に思えてきますね。